グランプリファイナル

結果
男子

 ジャンプ・スピン・ステップ・つなぎ、全部一級品。本当に欠点の無い選手だと思います。トリプルアクセルが安定してくると、鬼に金棒。

 ダブルアクセルのミス、全ジャッジがマイナスをつけているので、要素の中での転倒という扱いのなかで、評価が−1〜−3と割れているのが大変興味深く、頭にとどめておくべき判断だと思いました。入りを工夫し、大きさのあるジャンプを跳んでも着氷と同時に転倒すれば確実に−3が並ぶことを考えると、チェック・流れ・深いバックアウト、こういったものが+GOEに大きく関わっているのだと思います。成功ジャンプのGOEが凄いことになっています。

 仏大会と比べ、流れのある着氷が出来ませんでした。この一言に尽きると思います。

 後半、目に見えて勢いが無くなってしまいました。やはりアクシデントの影響があったのでしょうか。ゆっくりと養生している時間的余裕は無いかもしれませんが、全日本に向け英気を養ってもらいたいです。
女子
素晴らしい演技の連続で、最高の時を過ごしました。

 もう、シズニー選手がジャンプミスを最小限に抑えれば、素晴らしいというほかありません。バタフライからのキャメルの軸がピタッっと決まることに感動しました。

 フリープログラムの全容を見ることができました。ジャンプに流れがあり、幻想的な振り付けが一段と引き立っていたように思います。前半の2つのスピンはいかにもレベルを取りにきているといった感が全くなく、更に、雄大なスパイラルに感動しました。

 3−3の安定感が凄い。シーズン当初、フリップ・トウのコンボに挑戦するかと思っていたのですが、良く考えると、ルッツでエラー、ループが苦手(実質的にサルコウトウループの代替になる)ということで、SP・FSともにフリップ・トウの点数的なメリットがほとんど無い、ということだと考えています。そのループ、フリーでは課題であるとは思えぬほど見事に成功させました。

ショートのステップレベル1、原因が分かりません。他選手も軒並み1か2というのなら理解できるのですが、そうではないですし・・・突如レベル1になってしまう今季設けられた規定に
ターンおよび/またはステップは、シークェンス全体に分布していなければならない。ターンまたはステップが無い部分が長くあってはならない。もしこの要求が満たされなければ、レベルは1 より高くならない。
があるのですが、これに抵触しているということは、ないように思うのですが。
演技はどちらも、大会を重ねるごとにスケールが大きくなっているように思います。全日本が楽しみ。

 大きなミスが何度かありましたが、新しいショート、強力で十分に世界と闘っていけるプログラムだと思いました。ステップを比較的ゆったりとしたものに変えたことによって一つ一つのターン・ステップを正確に踏み、身体全体を使ってしっかりと曲を表現できる構成となっているように感じます。よっぽど厳しいスペシャリストでなければレベル3を取れそう。(コメント欄に構成を載せます)ダブルアクセル前後の振り付けも○。フリー、単独のループジャンプがきれいでした。そして、2A−3Tがついに炸裂。終了直後のガッツポーズに感動しました。SP・FSを通して、スピンでは厳しい評価となっています。全日本までにきっちりと対策をとってほしいです。
フラット選手、怪我からの回復が思わしくないのでしょうか、ゆっくり休養し、再び元気な姿を見せてもらいたいです。