四大陸選手権2

試合結果詳細
ttp://www.isufs.org/results/fc2008/
男子シングルでは高橋大輔選手が新採点方式における歴代最高得点をたたき出しての優勝を果たしました。内容もFSでトリプルループジャンプの着氷でオーバーターンするという小さなミス以外はほほ完璧なもので、課題のスピンもシットスピンのポジション変更、バックエントランス時のスピードコントロールなどの対策がなされ、着実に改善しつつあるように感じました。
最初にFSのスコアを見たときはTESの93.98という数字に驚きましたが、高橋選手の構成は83.13というとてつもない基礎点であることを冷静に考えれば不思議ではありません。今季の国際大会における高橋選手のFSで獲得したGOE加点は、
スケートアメリカ 3.30点(二度の転倒あり)
NHK杯     3.90点(一度の転倒あり)
GPF      7.50点
です。ミスを最小限に抑えれば、8〜10点のGOE加点は高橋選手にとって普通にもらえる数字です。彼は成功確立の低いジャンプが無く、それ以外の要素においても欠点の少ない選手です。今大会で彼がこの構成をきっちりまとめてきたことはライバル選手にとっては非常に大きな脅威となると思います。
女子シングルでも浅田真央選手が優勝しました。注目していたトリプルアクセルは何度か見た練習時の映像でも完全に回転を満たしており、本番でも完璧に成功させ、1.86という大きな加点を獲得しました。私には軸のとり方が少し変わったように見えるのですが、うまく表現できません。
安藤選手は3位でした。FSではトリノ五輪以来の4回転サルコウの挑戦がありました。残念ながらパンクしてしまいましたが、その後崩れることなく演技を終了できたことは収穫だったのではないでしょうか。実戦での経験を積み重ね、目標を達成してもらいたいです。SPでは冒頭とダブルアクセルの後に振り付けを省略した影響か、スパイラルの前後に時間を余したような印象を受けたのが残念でした。
女子シングルのプロトコルを見ての感想は、判定にある程度の一貫性が欲しいということです。浅田選手の3F−3LoのコンビネーションジャンプのセカンドジャンプはSPでは回転不足、FSではセーフという判定を受けていますが、私にはこれらのジャンプは同じか、むしろFSの方が回転が僅かに足りていないようにも見えます。
どちらのジャンプも厳し過ぎると感じた今季のスケートアメリカ以外の大会の基準なら認定されるものだと思います。大会(スペシャリスト)によってレベル・DG・e判定の基準が『多少』変わるのはある程度仕方ないことなのかもしれません。スペシャリストによって回転の始点・着氷の時点等の認識が異なるのかもしれません。(これに関して私は言及できる立場にはいません)しかし、同じ大会でこのような判定が出ることは、選手に混乱をもたらすような気がします。