世界選手権

いよいよ今季最後にして最大の舞台、世界選手権がスウェーデンイエテボリで始まります。欧州は男子選手が強いからでしょうか、ここ数年とは男女の日程が入れ替わり今日は女子ショートプログラムが行われます。
優勝争いは今季無敗のキムユナ選手と日本の浅田真央選手を中心に繰り広げられそうです。両選手はシーズンを通して安定した成績を残しており、SPにおけるコンビネーションジャンプの要素抜けなどの致命的なミスが無い限り表彰台を外すことは無いかも知れません。(キム選手は怪我からの休養明け、浅田選手はコーチ環境の変化など不安材料もあることはあるのですが)
両選手がミスを最小限にとどめれば、190点近くのスコアは獲得できるでしょう。これほどの数字になるとどんなに技術点を積み重ねても(SP30点台後半、FS60点後半)演技構成点で7点平均(SP28、FS56点)を出せない選手には厳しいと言えそうです。
二人を脅かす存在がいるとすれば、爆発したときの安藤美姫選手と(確立はかなり低いように思いますが)カロリーナ・コストナー選手でしょう。
安藤選手は、直前に曲を昨季使用していたシェヘラザードに変更するという大胆な作戦に出ました。昨季と全く同様の演技というなら良いのですが、今季はスパイラル・ステップでのルール変更があり、どのような編曲・内容になっているのか、楽しみでもあり、同時に少し不安でもあります。(ニコライ・モロゾフ氏はトリノ五輪の荒川選手のトゥーランドットで証明したように編曲の名手ですので杞憂に終わると信じてます)
コストナー選手は、ほとんど全ての試合でジャンプが数回抜けてしまっています。新採点方式ではジャンプの種類にもよりますが回転不足判定さえ受けなければ普通のダブルと転倒したトリプルの点数はほとんど変わらないので、素人目にはとてももったいない癖のように感じます。
メダル争いは、これらの選手に中野友加里選手、ジョアニー・ロシェット選手、アシュリー・ワグナー選手などが絡んでくるでしょうか。マイヤー選手のキレ味の良い、また、セベスチャン選手の豪快なジャンプは好きなのですが、残念ながら高難度の3−3や3Aなどの大技を持っていないと上位には進出できないのが現実のようです。
今回のテクニカルスペシャリストはロシア杯でもコーラーを勤めたPirjo UIMONEN氏です。このときのFSで微妙なジャンプを二度ダウングレードされた中野選手にとってはいやなコーラーかも知れません。