ファイナル(女子SP)

キム選手が首位、浅田選手・中野選手が続く。安藤選手は5位と出遅れ
ttp://www.isuresults.com/results/gpf0809/SEG011.HTM
キム・ヨナ選手
 ルッツジャンプがパンクする(7点前後の)ミス。スパイラルの支持なしのポジションは正に圧巻。チェンジエッジ後のビールマンポジションと合わせて、リンクをフルに使って大きなS字を描いています。フライングシットスピン・足換えコンビネーションスピンのキャメルでのチェンジエッジは2回転以上回っていますが、どちらもエッジがやや微妙で厳しいスペシャリストだと認定されないかもしれません。
浅田真央選手
 得点源の3F−3Loコンビネーションのセカンドループが残念ながら回転不足判定を受けてしまったようです。これで5〜6点の失点。ルッツジャンプは慎重になりすぎてステップからやや間が空いてしまったように感じました。チェンジエッジを挟んだスパイラルのラインをこれまでのリンクを横断するものから縦断するように変化させたことにより、カーブの深さが強調されたように感じました。スピンのチェンジエッジはどちらも二回転ぎりぎりのように見えます。キム選手との差はあってないようなもの、フリーでの対決が待ち遠しいです。
中野友加里選手
 ルッツジャンプでやや着氷が乱れました。技術点から推察するとおそらく3回転と認定され、GOEで多少のマイナスとなっているかもしれません。レイバックスピンの回転速度は申し分なし、それだけにビールマンからの出方が少し惜しい気がしました。SPの結果を受け、表彰台は完全に射程圏内。総合点でのパーソナルベスト更新にも期待が高まります。
カロリーナ・コストナー選手
 コンビネーション予定のトリプルフリップジャンプで転倒。このジャンプは回転・軸共に悪くなく、セカンドトウループへの体制を整えにいった際の惜しいミスのように感じました。スピンの回転速度・軸・ポジションが他選手と比較するとやや物足りません。
安藤美姫選手
 3Lz−3Loのファーストトリプルルッツで転倒。解説の伊藤氏の指摘通り、回転が不足しているように見えました。DGとすると、基礎点だけで11.0のコンボが実質−0.1点となってしまいます。課題であったステップからのフリップは、中国杯から更に改良されたものとなっています。是非、あれをフリーでも使えるまでの精度に高めてもらいたいです。フライングシットスピンのチェンジエッジはおそらく認定されないと思いますが、大きなミスがありながらその後の演技をまとめられたのは大きな収穫だと思います。フリーでは曲目を変更しての再スタートとなるようです。新しいコンビネーションジャンプや大技が見られるかも知れません。楽しみです。
ジョアニー・ロシェット選手
 コンビネーションが2−2となり、ルッツもシングルとなるSPでは致命的といわざるを得ないミスを続けてしまいました。フリーでの巻き返しに期待です。
 最後に、120分という放送枠がありながら、更に生ではなくディレイ放送をしながら、3分弱のSPの演技を男女12人全員分見られないのは残念でした。