浅田真央、来季使用曲公表

毎日新聞 フィギュア 浅田真央、フリー曲は「鐘」
浅田真央選手の使用曲がプレリュード『鐘』とはぶったまげました。昨日この記事を見たときはてっきりピアノコンチェルト2番2楽章をメインにすると思い込み、日記を書いていたのですが、完璧に予想を外されました。今季FSの『仮面舞踏会』をSPに使用するというのも驚きです。楽しみと不安が半々というのが正直な気持ちです。ピアノ協奏曲を前提に書いた原稿を読んでいただくとそれがうまく伝わると思いますので、一部を載せます。
(ここより、勘違いによるトンチンカンな原稿はじまり)
 この記事によると、浅田真央選手のバンクーバー五輪使用曲(FSでしょうか?)はラフマニノフだそうです。恐らくピアノ協奏曲だと思いますが、浅田選手に適した曲だと思います。通常のシーズンであれば、思い切った選曲も可能でしょうが、来季は五輪本番、大胆な冒険はできません。
シニア転向後の浅田選手のハマリプロといえば真っ先に思いつくのが『ノクターン』なのですが、これはショパンの音楽が絶対音楽(*1)であることと多いに関係していると思います。絶対音楽であるがゆえに、ジャッジ・観客に与える先入観を最小限にとどめることができ、解釈の幅を大きく広げることができるのだと思います。反対に標題音楽、特に人物を演じる音楽には“この曲にはこの場面→このような振り付け”というようなものがあり、そしてそれがクライマックスに来ることが多いでしょう。そのような、一瞬の演技で観客を惹きつける爆発的な表現というものは、やや彼女に足りない部分であり、この部分でのライバル選手との対比は避けたほうが良い気がしています。
私は、浅田選手について初めて書いた日記(07ファイナル)で
“流れるようなスケーティングの美しさにおいて現段階で彼女の右に出るものはいないかもしれません。うまく表現できないんですが一つ一つの音を拾ってポーズをとるのではなく、長いフレーズの中で常に体制を変化させ続けながら音楽を表現する能力に長けていると感じます。”
と述べているのですが、これこそが彼女の持つ最大の武器であり、本番で勝負すべき路線だと思います。『月の光』のシットスピンの出から、2Aのイーグルでの助走に入るまでの一連の動きなどは、他の誰もあれほど美しく演じることは出来ないでしょう。
(ここまで、トンチンカンな原稿おわり)
 『仮面舞踏会』に『鐘』ときてますから、もうこれは疑う余地もなく標題音楽、昨日の段階で“保存する”ボタンを押していたら、かなりこっぱずかしいことになってました。“五輪本番、大胆な冒険は出来ません”とか・・・『鐘』・・・冒険以外の何物でもありません。うーん、何というかこの選曲では、私の思う浅田選手の持ち味を最大に生かすことは出来ないと思っています。ひたすら短調のとても難しい曲ではないでしょうか。構造もレント→アジタート→レントと極端で、技を組み込むだけでも一苦労しそうです。どこにスパイラルが来るのでしょうか。今季FS『仮面舞踏会』のスパイラルは私にはかなり微妙なタイミングだったのですが、更に『鐘』となると予想がつきません。多くの場合は、曲調が大きく変わりスローテンポの所に入れられると思うのですが・・・アジタートを挟んだ前後どちらかでしょうか。そして、中間部にあるアジタートにはどのような要素を持ってくるのでしょうか、まさか中盤でステップ?それ以外にも、今季GOE加点基準の“技の実施が曲の構造にあっている”という部分にも当てはめるのが難しそうです。
 とはいうものの、“チャンピオンメーカー”タラソワ氏が浅田選手の能力を最大限に引き出すにふさわしいと判断した選曲、渾身のプログラムです、素人の私の不安など吹き飛ばしてくれるに違いありません。お披露目を楽しみに待ちたいです。
私事ですが、ラフマニノフのプレリュードといえば、現在Op23-2変ロ長調を練習中です^^
*1 絶対音楽標題音楽
絶対音楽:物語その他文学的な何ものか(標題)を音楽で表現しようとする音楽でなく、音楽そのものを表現しようとするような音楽
標題音楽:音楽外の想念や心象風景を聴き手に喚起させることを意図して、情景やイメージ、気分や雰囲気といったものを描写した器楽曲のこと
(共にWikipediaより)