私は小さい頃からフィギュアスケートが好きでしたが、本格的に観るようになったのはリレハンメル五輪以降です。当時、リレハンメル五輪と続く幕張ワールドで録画したビデオを何回も再生し、ジャンプの種類を覚えたものです。覚えたのは①ルッツ②アクセル③④サルコウ・ループの順で⑤⑥トゥループとフリップの違いには最後まで苦労しました。
一通りジャンプを覚えたところで改めていろいろな選手の演技を見返したとき、解説者の見間違いかな、と思ったところがありました。それはカナダのシュイナール選手のSPの演技で解説の方(記憶があやふやですがおそらく五十嵐氏)が、『ダブルルッツ』とジャンプの解説をしたところです。当時の私は踏切エッジの違いや助走の違いも分からずに、左足踏み切りのトゥジャンプで後ろ向きの助走が長いのがルッツ、直前にターンが入るのがフリップだと誤った理解をしていたからです。シュイナール選手はターン後すぐにジャンプを行ったのでフリップに違いないと私は思い込んでいました。当時は、今のようにインターネットで簡単に疑問を解決できるような環境は整っていなかったのでこの二つのジャンプの違いが分かりませんでした。
時は過ぎ、長野五輪女子SPの解説をされていた佐藤有香さんが『SPではステップからのトリプルとコンビネーションジャンプのトリプルは違う種類のジャンプを跳ばなければならない。リピンスキー選手はルッツとフリップの構成だが実際にはエッジが変わってしまうので両方フリップとみなされ減点されてしまう可能性がある』という内容の解説をされました。その時になって初めて、ルッツとフリップの違いが実は助走はあまり関係なさそうだということがなんとなく理解できました。ただそれも本当に“なんとなく”で“本物のルッツ”は大きく前かがみになって左足の真後ろ辺りにトゥを突くのかなぁ程度の認識でした。(続く・・・多分)