スケートカナダ(男子FS)

チャン選手が優勝。ブラッドリー選手が二位。ライサチェク選手が三位。
プロトコル
ttp://www.isufs.org/results/gpcan08/gpcan08_Men_FS_Scores.pdf
パトリック・チャン選手
 ジャンプで大きなミスが幾つかあり、技術点では8番目の評価となりましたが、圧倒的な演技構成点(PCS 77.40)を獲得し優勝しました。これは決して出来の悪くなかったライサチェク選手を6.7点も上回るすさまじい数字です。昨季のライサチェク選手のFSにおけるPCSを調べてみましたが、記録に残る名演技をした四大陸の高橋大輔選手との差6.08が最高でした。このスコアが今季からの採点基準の変更によるものなのか、はたまた地元の熱狂的な歓声に後押しされた部分が大きいのかを注視しておく必要がありそうです。
エヴァン・ライサチェク選手
 ほとんどミスの無い演技に見えましたが、後半の稼ぎどころで2つのダウングレード判定を受けてしまいました。今後に向けての彼の課題を浮き彫りにしたと言えるかもしれません。
ヤニック・ポンセロ選手
 見せ場の冒頭4Tで転倒してしまいました。彼のジャンプは回転不足の心配はほとんど無いので、安定した着氷を身につけてもらいたいです。なによりも気になるのは後半のジャンプ。3A−2Tはきれいに決まりましたが、その後の4回の機会でわずか13.07点しか獲得できませんでした。これは、コンビネーション回数規定違反を犯したテン選手を除けば、参加選手中最低の数字。ループとフリップ、セカンド3Tを安定させてここで20点台後半を稼ぎ出せるようになって欲しいです。
ショーン・ソーヤー選手
 フリースケーティング首位の要因は昨季泣かされた回転不足判定(中国杯FSで5回、NHK杯FSで3回)をトリプルアクセルでの1回に止めたこと。彼のジャンプには流れがあり、今回も認定されたジャンプの全てで+1.0以上の加点を得ています。今後、上位進出に向けて最大の鍵となるのはやはり今季4度トライして一度も認定されていないトリプルアクセルの精度をどこまで上げられるかにかかっていると言えそうです。