中国杯(男子)

アボット選手が優勝。キャリエール選手が二位。ベルネル選手は三位
ttp://www.isufs.org/results/gpchn08/
ジェレミー・アボット選手
 高さこそないものの、速い回転速度と流れのあるコンパクトなジャンプ、スピンも見事で密度の高いプログラムの流れを寸断することなく4分間を演じきりました。演技構成点では全ジャッジ・全項目で7.0以上をつけ、77.00点を獲得。最終滑走で、かつ優勝確実な出来によるご祝儀もあったでしょうが、前週のチャン選手・ロシェット選手に続き、私にとっては衝撃のスコアです。
トマシュ・ベルネル選手
 SP冒頭のクワドトウループ(+3Tコンボのファースト)が抜けて2Tになってしまいました。急遽構成を変更し、ソロ予定のトリプルルッツに2Tをつけました。SPでは、コンビネーションの1stと2ndでは同一のジャンプを跳べる(例3T−3T、3Lo−3Loは可)のですが、コンビネーションとソロでは跳ぶことができません。(例3Lz−3T、3Tは不可)ベルネル選手はこの規定に違反し、コンボが無効になってしまいました。(FSは演技を見ることが出来ませんでした)
ベルネル選手が違反をとられたSPのジャンプ規定は、(ステップからの)ソロジャンプに4Tを採用することのリスクを極めて大きくしています。ここではトップ選手の採用している①コンボ4T−3T、ソロ3Lzと ②コンボ3Lz−3T、ソロ4Tで考えたいと思います。
4Tを跳ぼうと試みたものの、踏み切りが合わないなどの理由で咄嗟に空中で回転を止め、3Tに変更するということはよくみられることです。これが起こった場合①のケースでは、3T−3T・3Lzで両方有効となりますが、②のケースですと3Lz−3T・3Tとなり、後に行われた要素が無効になってしまいます。規定である以上仕方が無いといえばそうなのですが、『SPでは同一ジャンプは不可、ただしコンビネーションのセカンドは対象外』というように変更すれば、様々なチャレンジが見られるかな、と期待してしまうのですが、それは我がままというものですよね。ソロジャンプでクワドが見られるのは①クワドサルコウ(以上に難易度の高いジャンプ。例:4S、3Lz−3T)または②セカンドループ(例:3Lz−3Lo、4T)を高確率で成功させることのできる選手の出現を待つしかないかもしれません。