エリック2

男子シングル
パトリック・チャン選手
 二度のジャンプミス以外はずらりとプラスのGOEが並ぶ素晴らしい内容の演技でした。演技構成点スケートカナダに続いて非常に高い評価を受けています。PCSの出方については昨季までは、実績評価・技(特にジャンプ)の難易度・当日の出来などを中心に採点されているという印象が強かったのですが、それが規定通りの姿に近づいているのかも知れません。
小塚崇彦選手
 4Tで転倒、回転不足判定を受け、スケートアメリカと同様実質0点になってしまいました。しかし、その他のジャンプは安定感がありました。演技の終盤、曲が最高潮に盛り上がったところでのトリプルアクセルは、成功した瞬間に鳥肌が立つほどでした。ファイナルでの活躍が楽しみです。
ブライアン・ジュベール選手
 ジャンプでの大きなミスはループの転倒のみでしたが、構成自体が1クワド・5トリプルというジュベール選手にしては大幅に難易度を落としたものであることもあり、表彰台に乗った3人に技術点で大きく差をつけられてしまいました。
女子シングル
ジョアニー・ロシェット選手
 安定した流れのあるジャンプをしっかりと決めて高スコアで優勝。良く練りこまれた隙のないプログラムで、PCSも高い評価を受けています。特にジャンプの着氷後にもれなくなんらかの動作を入れていることは、ジャンプのGOE、構成点双方に良い結果をもたらしていそうです。SS(スケート技術)の評価では浅田選手に劣るものの、SSと同等以上のPE(演技力)CH(振り付け)IN(曲の解釈)を獲得し、5項目全体ではトップの評価となっています。演技構成点を重視した彼女の成功は、他選手の良い見本となるかも知れません。
浅田真央選手
 ジャンプで大小のミス(FSのみで18〜20点)が続いてしまいました。冒頭の3A(−2T)からの間がやや気になりましたが、続く2Lo(3Lo)を目標の構成であろう3Aに変更すれば印象が大きく変わってくると思います。全くお休みどころのない難しいプログラムを演じきる体力はさすが。2位という結果は残念ですが、世界女王の称号を手にし、目標は五輪に絞られているはずです。課題を着実にクリアしていく彼女の姿をNHK杯で見られることを楽しみに待っています。