ロシア杯(女子)

ttp://static.sportresult.com/federations/isu-results/events/gprus08/index.htm
カロリーナ・コストナー選手
 スケートカナダでの低評価を受けて、FSプログラムを昨季のものに変更し、PCSで高い評価を受けました。FSのあのスピードからの幅のある3−3は、迫力満点。今大会の優勝によりファイナル進出が確定しました。
レイチェル・フラット選手
 フリップ−ループという高難度の3−3を予定したSPではフリップでステップアウトをしてしまいましたが、続くルッツに2Tをつけ、失点を最小限にとめました。FSは、安定感のある演技をみせてくれました。ジャンプの加点が少ないことが気がかりですが、彼女はしっかりとした軸と着氷技術を持っていますので、これからスピードと高さを身につけ迫力のあるジャンプを見せてくれるのではないかと期待しています。
村主章枝選手
 FSでは全ジャッジがプラスを出し、1.4の加点を得た単独のトリプルフリップですが、SPではプラスを出したジャッジがゼロ、半数のジャッジがマイナスをつけています。ジャンプがステップ・動作の直後でない、またはステップ・動作を全く行っていないと判断されたのでしょう。FS後半ではトウループとコンビネーションを予定していたフリップが抜けてしまいました。10%ボーナスのつく後半では特に、パンクは転倒と同等かそれ以上の大きなミスになります。現状で村主選手が安定して入れられるトリプルはルッツ・フリップ・トウループの3種。この3種を確実に決め、加点を得ることがトップで争うための必須条件となるかもしれません。SPで取り入れている独創的なレイバックスピンはカナダ大会(Lv1)に続き低い評価(Lv2)に留まってしまいました。バックエントランス・8回転は確実に行っていますから、サイドウェイズのポジションが不十分とみなされたのでしょう。(今大会ではチェンジエッジはしませんでした)足換えコンビネーションスピンでは、キャメルでのバックエントランスというおそらく初めての試みをみせてくれました。
 プロトコルを見ての感想は、“!”(ルッツ・フリップにおける軽度のエッジエラー、または不明確なエッジ)の導入理由が分からない!!!です。SP・FSを通じて唯一つけられた“!”(“e”は一つもなし)がSPユリア・セベスチャン選手のフリップに対するものでした。全選手のSPの演技を見たのですが、私が最も質が良く、高さ・幅・流れの全てにおいて優れていると思ったのがこのフリップジャンプでした。彼女は確かにアウトで踏み切ってしまうフリップなのでエラーがつけられるのは当然だと思うのですが、適用が彼女一人だったことには少々驚きました。過去のプロトコルを分析していくと大会によってはルッツに厳しいスペシャリスト(または大会による方針かもしれません)、フリップに厳しいスペシャリストがいるのですが、今回はフリップに厳しい判定だったと理解していますが、なにかもやもやとしたものが残ります。エラー制度が導入された以上、正しいエッジで踏み切っている選手、欠点を減らそうと必死にエッジ矯正に時間を費やしている選手たちが報われる判定を望みます。