NHK杯(女子FS)

浅田選手が優勝、鈴木選手が銀、中野選手が銅。日本選手表彰台独占!
ttp://www.isuresults.com/results/gpjpn08/gpjpn08_Ladies_FS_Scores.pdf
浅田真央選手
 冒頭のトリプルアクセルを完璧に成功させ、二度目のアクセルの助走に入ったところで心臓がバクバク高鳴るのを感じ、きれいに片足で着氷した瞬間には思わずこぶしを握り締めました。この助走から踏み切りまでの数秒の間は、恐らく会場もシーンと静まり返っていたはず。曲調・音量がゆったりとした静かなものの方が、よりドラマティックな演出になったような気もします。二度目のアクセルを成功させた後は、表情もエリック・ボンパール杯とは別人のように豊かになり、動きも自信にあふれているように感じました。課題のトリプルサルコウを含む残りのジャンプも難なく成功させ、1.0の加点(+GOE2.0平均)を獲得したステップで力強くリンクを縦断しました。
 回転不足判定の基準が厳しかったことが残念。スケートカナダ・ロシア杯の基準であれば、二回の3A、そして女子史上初の200超えの可能性はかなり高かっただろうと思います。
鈴木明子選手
 すべての技術において欠点の少ない選手。初の大舞台、地元のプレッシャーの中で演技をまとめ銀メダルを獲得したことは快挙だと思います。ルッツでのオーバーターン・ステップアウト、トリプルトウループの回転不足判定で8点強を失うも、技術点56.96点を獲得しました。レベル認定・GOE評価も概ね妥当でノーミスであればどの大会でも65点前後を期待できそうです。技術構成点で中野選手に並んだことは、全日本に向け、国内のジャッジに対する強烈なアピールになったはず、世界選手権の代表争いに大きく名乗りを上げた結果となりました。
中野友加里選手
 後半のフリップジャンプの回転が足りなかったミスを除けば、不調を感じさせない中野選手らしい安定感のある演技でした。スピン・スパイラルでは加点のしっかりついたレベル4をずらりと並べています。滑走順の影響もあったと思いますが、演技構成点で鈴木選手に並ばれ、更に技術点で劣ったことは彼女にとっては大きな脅威になったと思います。彼女のジャンプは軸と着氷に難点があり、大きな加点を見込めない上に、ボーナスの獲得できる後半に2つしか入れていないプログラムですので基礎点大幅アップのトリプルアクセルを入れ、確率を上げることが重要になってくるかもしれません。
 日本の三選手、本当に素晴らしい演技の連続でした。チケットが取れず目の前でこの感動を味わえなかったのが無念です。
全6戦を終えファイナル進出は、キム・ヨナジョアニー・ロシェット浅田真央カロリーナ・コストナー中野友加里安藤美姫の6選手に決定。実力者揃いで、レベルの高い争いが期待できそうです。