ファイナル(女子FS)

浅田選手が優勝。キム選手が銀、コストナー選手が銅。中野選手5位。安藤選手6位
ttp://www.isuresults.com/results/gpf0809/gpf0809_SeniorLadies_FS_Scores.pdf
浅田真央選手
 出来映えでマイナスをつけたジャッジのいない文句のないトリプルアクセルを二度成功させました。NHK杯の例があるので、技術点が出るまでは喜べないのがつらいところ。非常に珍しいフリップジャンプでの転倒、いつもなら軽々こなすダブルアクセルの着氷が彼女比でスムーズでなかった点などに、改めてこのプログラムの体力的なきつさを痛感しました。それでも、残る力をフルに投入したステップで1.0という加点を獲得。今大会の出来は、彼女にとってまだまだ納得のいくものではなかったかも知れませんが、一歩一歩目標に向かって歩んでいることが感じられる素晴らしい演技だったと思います。
キム・ヨナ選手
 後半のルッツジャンプがシングルになり、トリプルサルコウで転倒と、後半の体力面でのキム選手の課題を克服することが出来ませんでした。しかし、地元開催のプレッシャーの中で、残りの要素をきっちりとまとめてくる精神力の強さは素晴らしいと思いました。2A−3Tのコンビネーションを跳ぶ時間をずらし、後半のボーナスを獲得している点は昨季もそうだったように記憶しています。
カロリーナ・コストナー選手
 ループでの転倒、それ以外にも着氷が乱れる場面がいくつかありましたが、回りきってからのミスと判断され、失点を最小限に止めたことが銅メダルに結びつきました。スピンは、やはり低いレベル・GOE評価となっています。他の要素が文句なくトップクラスの質といえるだけに、スピンの出来だけが物足りなく感じます。
ジョアニー・ロシェット選手
 二度のルッツジャンプでミスがありました。しかし、後半〜終盤の二度のシークエンスは見事に成功。両方がきれいに決まったのを見るのは初めてのような気がします。演技構成点のSS(スケート技術)からの他の4要素の落ち込みが非常に少なく、プログラムそのものが高い評価を受けているといっていいと思います。
中野友加里選手
 トリプルアクセルを含む3つのジャンプが回転不足判定。ルッツも2回転となってしまいました。ステップで躓くという彼女にとっては珍しいミスもありました。彼女がFSで100点を切ることは正直、想像していませんでした。スピンは相変わらず素晴らしい出来、全てのジャッジがプラスをつけています。
安藤美姫選手
 クワドサルコウダブルアクセルトリプルトウループという新しいコンビネーションへの挑戦を見せてくれました。結果的にこの4Sと3Tを含む5つのジャンプが回転不足判定。基礎点ベースで19点以上を失いました。点数が出たときは、あまりに低い技術点に目を疑ったのですが、スローでみればやはりどのジャンプも回転が足りていません。昨季のスケートアメリカでも似たようなことを感じたのですが、ジャンプを慎重にこなそうとするあまりスピードと思い切りに欠けているように思いました。