全日本選手権(女子SP)

結果はこちらの一番下(Japan Figure Skating Championships 2008)のリンクから
中野選手が首位発進、浅田選手・安藤選手が続く
中野友加里選手
 ジャンプ3要素をきっちりと決め、首位発進。レイバックスピンでのキャッチフットのポジションが2回転ぎりぎりであった点、6秒のスパイラルの半ば以降でややエッジがフラット気味になる点がありましたが、全体的には彼女らしい、安心して観ていられる演技でした。冒頭のコンボジャンプ後の振り付けが、あのように愛らしく、魅力的なものだとは今まで気づきませんでした。やはり、ジャッジ席側からの角度の映像はいいですね。FSでの抜群の安定感を誇る中野選手にとって、SPでのリードは表彰台を確保するためにはかなり大きなものといえるでしょう。
浅田真央選手
 冒頭のトリプルフリップトリプルループ予定のコンビネーションでしたが、フリップジャンプでやや回転しすぎでオーバーターンが入ってしまいました。規定(The element remains a Jump Combination even when there are 2 three turns in between the jumps with a slight touch down (without weight transfer)ではコンビネーションと認められるのは1回転のオーバーターンまでです。浅田選手がダブルループをつけたのは2回転してからでしたので、判定は恐らく3F+COMBOとなり、全ジャッジがGOEでマイナス3としているのではないかと思います。(追記:判定は3F−2Lo<でした。)ルッツジャンプはグランプリよりもやや、アウトにカーブを切ってからトウをつくまでのタイミングが遅れているように感じました。その他の要素は素晴らしかったと思います。
安藤美姫選手
 トリプルルッツトリプルループのセカンドループジャンプが恐らく回転不足判定を受けていると思います。スパイラルのチェンジエッジ後のポジションは、意図したものかどうかはわかりませんが、上体を前方に倒すことにより今季何度かあった3秒保持できないミスを回避したように感じました。フライングシットスピンは、グランプリシリーズでのデスドロップ・パンケーキ・チェンジエッジ・キャノンボールからデスドロップ・パンケーキ・8回転・チェンジエッジでのレベル4狙いに変更、チェンジエッジはこれまで2回転ぎりぎりでしたが、今回はしっかり4回転しています。パンケーキが変形として認定されるか否かはスペシャリスト次第ですが、これならレベル3は確実に獲得できそうです。フリーはジャンプ構成・振り付け共にどのようなものになるか楽しみです。
武田奈也選手
 ジャンプは全て大きく加点を得ていそうな素晴らしい流れがありました。スパイラルは、スピードがありエッジも安定していてとても魅力的だと感じました。レイバックの基本姿勢も美しく、回転速度も速く、満面の笑顔でのフィニッシュとなりました。
村主章枝選手
 フリップジャンプで転倒、前向きに着氷しておりおそらく回転不足判定となっていると思います。ディダクションが2.0となっているのはタイムオーバーでしょうか。(どういうわけか録画が二つに分かれてしまっていて正確な時間の測定ができません)目標となる3位(安藤選手)との差は8点弱というかなり大きなものとなっています。フリーではパーフェクトな演技で後続選手にプレッシャーをかけたいところです。
鈴木明子選手
 ルッツコンボを何とか成功させるもトリプルフリップでオーバーターン、続くフライングキャメルスピンも入りで大きく軸がぶれるなど、大きなミスこそ無いものの、少しずつ点を失っていった印象。演技構成点も、ライバル選手と比較すると低くなっており、フリーではミスの無い演技をすることが求められそうです。

最終グループ滑走順
19.鈴木 20.村主 21.中野 22.武田 23.安藤 24.浅田 (敬称略)