全日本選手権(女子FS)

浅田選手が3連覇達成。村主選手が銀、安藤選手が銅。
リザルト
浅田真央選手
 得点源の二度のトリプルアクセル、後半の3−3コンビネーションのセカンドトリプルループが回転不足判定を受けました。サルコウがシングルとなり、加点を獲得できたトリプルは3連コンボのフリップと後半のトウループのみ。浅田選手としては物足りない技術点(54.67)となってしまいました。しかし、DGされたとはいえ、今季初めて3−3を降り、更に全てのスピン・スパイラルでレベル4、ステップでレベル3と実質最高レベルを獲得、最後まで集中力を切らさず演じきった見事な内容だったと思います。
村主章枝選手
 直前の鈴木選手のほぼパーフェクトな演技の後でも、動じるどころかむしろこれ以上はない、とまで言える演技を見せてくれた村主選手。彼女は、トリノ五輪では荒川静香氏の後、06世界選手権ではキミー・マイズナー選手の後とこれまでも似たような状況で最高のパフォーマンスを演じてきました。目標に定めた大会にきっちりと標準を合わせ、他選手の出来にも左右されない強靭な精神力、やや弱いとされていたスピンの精度の向上・レベル取りの工夫など勝負への強い思いにはただただ感服するしかありません。
安藤美姫選手
 今季何度か回転不足判定を受けたトリプルフリップジャンプは、SP・FS共に判断基準がテイクオフとランディングを結んだラインとすれば、しっかりと回りきっています。3連続の最後のダブルループのダウングレードは、この基準であれば全く問題ないのですが、進行方向に向かって前向きの状態で、尚、膝が曲がり重心がしっかりエッジに残っているので前向き踏み切りのチート判定を受けたのだと解釈しています。(規定P50:A clear forward take-off other than Axel type jump will be considered as a cheated jump.The Technical Panel may only watch the replay in regular speed to determine the cheat and downgrade on the take off.アクセル以外のジャンプで前向き踏み切りであることが明白なものは、これをチートとみなす。テクニカルパネルは等速でのみリプレイを確認し、チートと決断すれば踏み切り時のダウングレードを行う)
鈴木明子選手
 ダブルアクセルトリプルトウループのセカンドトウループで惜しくも回転不足判定を受けましたが、実質ノーミスともいえる素晴らしい演技でした。SPで乱れたフライングキャメルの着氷も二度しっかり決まりました。ステップの前の笑顔は会場からの大きな歓声を呼び、見ているこちらも熱いものがこみ上げてくるのを感じました。
中野友加里選手
 構成の柱となったトリプルルッツトリプルフリップが全て決まりませんでした。最大の得点を獲得した要素が3S−2Tの6.60、これでは技術点を伸ばすことは困難です。鈴木・村主両選手が素晴らしい内容の演技をしたことを会場の雰囲気から察し、やや硬くなってしまったのかも知れません。残念な結果となってしまいましたが、力強い来期に向けてのコメントが聞かれたことが救いです。
世界選手権代表
男子 織田信成選手 小塚崇彦選手 無良崇人選手
女子 浅田真央選手 村主章枝選手 安藤美姫選手
アイスダンス キャシー・リードクリス・リード
四大陸選手権代表
男子 織田信成選手 小塚崇彦選手 南里康晴選手
女子 浅田真央選手 村主章枝選手 鈴木明子選手
アイスダンス キャシー・リードクリス・リード