四大陸選手権(男子SP)

チャン選手が首位発進、ライサチェク選手が二位、小塚選手三位、織田選手は6位発進
プロトコル
パトリック・チャン選手
 昨季同大会で高橋大輔選手がたたき出した4回転無しでのSPの点数(88.57)を上回る88.90点を獲得。(ただし、昨季よりも3A・ステップの基礎点が上がっており昨季基準で換算するとチャン選手の得点は87.50となります)ストレートラインステップシークエンスでレベル4を獲得。これは、中盤ジャッジ席の前方でジャッジを見るように行ったRBI→RFI→RBIの連続ロッカーターン(追記:後半にロッカー→チョクトーの連続もありますね)が『回転方向の素早い転換』と認められたのでしょうか。演技構成点もTR(つなぎの要素)を除く4項目で7点台後半を獲得。難しいプログラムにとかくありがちな詰め込み感を全く感じさせない、あっという間の流れるような2分50秒でした。フリーでは、課題のトリプルアクセルを2本しっかりと成功させてもらいたいです。
エヴァン・ライサチェク選手
 今季、回転不足判定で泣かされたライサチェク選手、3−3のセカンドトウループがぎりぎりでしたが、課題のトリプルアクセルはしっかりと回りきってからの着氷。残る要素をしっかりと演じきり、高い演技構成点を獲得しました。フリーでは4Tの成功が逆転への鍵となりそうです。
小塚崇彦選手
 トリプルアクセルトリプルフリップの着氷でやや乱れる。シットスピン・コンビネーションスピンの足換えで、小塚選手比で幾分軸が安定しなかったように思います。技術点には納得しているのですが、演技構成点の低さには正直驚いています。これは小塚選手の今季GPS・GPFの点を大きく下回る数字です。他選手も同様に厳しい評価を受けているのなら分かるのですが、そうではなく、数名のジャッジから非常に低い評価を受けています。フリーでは胸を張って彼らの評価を覆す素晴らしい演技をしてもらいたいです。
織田信成選手
 3Lzからのコンビネーションのセカンドトウループがダブルになり、更に着氷で乱れてしまいました。このコンボは常に大きな加点を得ている得点源ですから痛恨のミスと言えるかもしれません。足換えシットスピンでは、最後のポジションを8回転することが出来ずにレベル3。足換えで完全に軸足が立ってしまっているためか、それとも最初のポジションがやや腰高と判断されてか、今季このスピンの評価が低いのが気になります。何らかの対策を期待しています。演技構成点では、全選手中11番目という信じられないほど低い評価をつけているジャッジがいます。小塚選手同様、低い評価を下したジャッジを見返す演技を期待しています。ジャンプをしっかりと決めれば、技術点では他選手に劣らない筈です。