スケートカナダ男女SP

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女子
参考記事 ISU アイスネットワーク

 素晴らしい演技。ISU記事によればスパイラルとコンボスピンで取りこぼしがあったようです。これが無ければ、3−2の構成で40点を超える技術点が、恐らく出ていたことになります。ダブルアクセルトリプルフリップがそれぞれ1.8の加点、ルッツコンボにも加点がつき、ジャンプ3要素(基礎点16.3)で20〜21点を獲得している計算となります。ここが、他選手との大きな差となって現れているのでしょう。ロシェット選手のジャンプには、それほど幅はないのですが、着氷時の重心移動が抜群にうまく、ジャンプ落下の(縦の)力を素晴らしい流れ(横の力)に変換できているのだと思います。その技術は本来幅・流れの出づらいループやサルコウにも存分に発揮され、フリーでは更なる武器となるでしょう。本当に素晴らしい演技でした。でも・・・でも、演技構成点はちょっと出すぎというか、他選手との差が開きすぎているようにも感じます。

 表情が素晴らしい、ため息の出るほど美しい演技でした。ダブルアクセルとフリップで減点を受けたとあります。フリップはややアウト気味のエッジであることや、ステップの直後に踏み切っているとは言えないことから理解できるのですが、アクセルの減点はそう大きなものではないと思います。シットスピンがレベル2、これは、最後のキャノンボールが中間姿勢とされ、無効となったのでしょう。フリーのジャンプで回転不足を最小限にとどめてまとめ上げることは、彼女の長年の課題。

 ミスの無い演技に見えて、思うように技術点が伸びてきません。ジャンプ以外の要素では、FSSpはやや微妙ですが、それ以外はしっかりとレベルが取れているように思えます。フリップが“!”判定で2.2もの減点を受けたようです。今大会はソロジャンプの前のステップを厳しく見ているように思います。中国杯でもジャンプで大きく点を失ったこともあり、ここまで点が出ないと、不安を抱えたままでのフリーの演技となってしまいそうで、やや心配です。

 全体的に、正確な技術に裏打ちされた彼女のいつもの演技ではありませんでした。フリーではふっきれた演技に期待です。3−3とルッツが見たい。

 点が・・・TESもPCSも低い。TESについては全体的な出方・記事の内容からして、ジャンプの減点を相当厳しくとっているだろうことは予想できるのですが、PCSはなんとも・・・中国杯優勝後の日記で『鈴木選手の評価が思うように伸びないのは、これまでの実績が少ないことが影響している』と書きました。これは勿論、『中国杯優勝の結果を受けて、今大会の演技構成点は上昇の傾向となる』ことを予測していたわけですが、完璧に外されてしまいました。特にPCSのTR(つなぎの要素)。SSからの落ち込みを見ると、全選手中最低といっても良い評価です。理由がサッパリわからん。とはいえ、このような極端な採点にこそ、勉強になる材料が多く含まれていると思うので、時間が出来たらじっくりと各選手の演技を見直してみたいです。
男子
記事 アイスネットワーク

 トリプルアクセルでの着氷の乱れは、入りに工夫があるだけに勿体無かったと思います。シットスピンからの出方が本当に良くなりました。フリーは他選手の点数を知った上での演技となりますから、ジャンプ構成は流動的でしょうが、できれば四回転を見てみたいです。

 3−3セカンドがダウングレード、ステップ・スピンでも取りこぼしがあったようです。記事によれば、ステップについての原因はしっかりと分析できている様子。フリーは、心臓をバクバクさせながらの4分半の応援・観戦となるでしょうが、NHK杯で見られたスピンや体力面での課題に前進があるものと期待しています。

 チャン選手のトリプルアクセルは、ものすごい勢いで突っ込んでいきますから、着氷すれば素晴らしい流れを生み出し大きな加点を期待できる一方、失敗時には派手な転倒となる諸刃の剣。更に、スピンでの新しい試みも全て裏目に出てしまった形になってしまいました。フリーのプログラムは本当に素晴らしいのでどこまで滑り込めているか、楽しみです。