スケートカナダ男女FS

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女子

 ジャンプのミスは十分起こりうるものとして、スピン・スパイラルでの取りこぼしが気になります。全体的に、曲についていけていないというか、各要素に追われているような印象を受けました。振り付けが密に入ったプログラムなので、細かいジャンプミスでも遅れを取り戻すのが難しいのかもしれません。これまでシークエンスにしていたダブルアクセルをコンビネーションにしたのは、その遅れを取り戻すとっさの判断だったのではないかと思います。

 それ以外の要素が極上のものであるだけにやっぱりジャンプが・・・いっその事、ジャンプはダブルでもいいのでクリーンな“永久保存版”の演技が見たいです。

 良い演技だったと思うのですが、全体的に元気がなかったように見受けられました。演技終了直後の表情が今にも泣き出しそうなくらい暗く、気になります。もっと生き生きと滑っている姿が見たいです。

 加点を得られたジャンプはループからのシークエンスのみ。全体的に鈴木選手の持つ内側から湧き出るエネルギーのようなものが感じられませんでした。本当に悔しい演技だったと思います。ファイナルでこの悔しさを喜びに変えてもらいたいです。ショートのつなぎの低評価ですが、やっぱり分かりません。フリーにおいては、ジャンプ前後のステップ・振り付けがほとんどないので理解できるのですが、ショートではスコアで現れたほどの差はないように私には感じられます。
男子

 冒頭の四回転、きれいでした。他のジャンプも大きく乱れることなく演じきり、収穫の多かった大会であったと思います。中盤から後半にかけてのつなぎ・MIF、いいですねえ。ステップを詰め込むのではなく、ゆったりたっぷりとエッジを利かせたお洒落なプログラム。ここまで魅せることの出来る選手は少ないように思います。

 後半のジャンプで回転が安定せず、やや着氷がつまり気味でしたが、体力面での課題は確実に克服しつつあると感じました。どのスピンにおいても入りと足換え後のキャメルの軸がピタッと取れていて気持ちいいです。後はチェンジエッジですね。ざっくりと計算してみましたが、技術点はあと15点前後伸びる余地がありそう。会場の盛り上がりは一番に感じました。『道』は、英雄カート・ブラウニング氏がリレハンメル五輪で使用したこともあり、カナダのスケートファンには馴染み深い曲だと思います。ブランクによる評価の低下を懸念していましたが、8点台のSSを安定して得ていますので、そこも一安心。