足換えスピン

 ジャパン・オープン、華麗に見逃しました。Youtubeの映像しか見ていないものですから日記にするつもりはなかったのですが、恒例となりつつある(おっちょこちょい&中途半端な英語力なものでごめんなさい。できるだけ減らすように努力します)勘違いに気づいたもので、とりあえずその訂正をしなければと・・・日記にしたものの内容については、ほとんど頭に入っていますので、得意の勘違いが炸裂していた場合には都度訂正し、できれば今年中にまとめのようなものを作りたいなと思っています。

  • 足換えスピン

 5月16日の日記で、足換えスピンのレベル2以上の追加要件として、“左右両足で少なくとも1種類の基本姿勢を取らなくてはならない” (原文:“for Spins with change of foot at least one basic position on each foot.”)の解釈を“基本3姿勢(アップライト・キャメル・シット)の少なくとも一つは左右両足で行わなければならない”とし、例として昨季安藤選手のコンボスピンを挙げたのですが、その安藤選手、ジャパンオープンで昨季と同様、左足:キャメル・シット、右足:アップライトの構成でばっちりレベル4を獲得しておりました。あわてて日本語訳を見たところ『左右の足とも少なくとも1 つの基本姿勢を含むこと』と似たような表現になっている一方で、
ショート・プログラム:一方の足では基本姿勢で2 回転行なわれたが、他方の足では基本姿勢で2 回転に満たない場合、そのスピンにはレベルは無く、したがって無価値となる。フリー・スケーティング:足換えありの単一姿勢のスピンが一方の足で全く基本姿勢がない場合、他方の足のレベルの特徴は適用される。しかしながら、レベルは1 より高くならない。』
 との記述が別にあり、これは“どちらかの足が中間姿勢のみで構成された”場合を想定しているのではないかと思われます。
中間姿勢とは、この日本語訳で基本3姿勢に該当しないものと説明されています。はじめから中間姿勢を構成に入れるということは稀で、多くの場合、シットを試みたものの、スケーティングレッグの上部(太もも)が氷面よりも平行以上の(=お尻の高い)姿勢(例:写真IP中*1)と認定されたり、アップライトを試みたものの、スケーティングレッグが十分に伸びていないとみなされたり(例:同右)といったものがほとんどでしょう。厳密にいうと違うのですが、スケーティングレッグの膝の角度が概ね90度を超え、160度に満たないものが該当するといえると思います。昨季の演技を思い返すと特にシットの例示姿勢ではシットとしての要件を満たしているものの方が少ないようです。公式に写真が示された姿勢については特に、厳しい判定が下されるかもしれません。
フィンランディア杯で優勝したガチンスキー選手、ショートプログラムの足換えシットスピンが無効となっています。そして、フリーでは、足換えシットではなく、基礎点の低い足換え無しのシットスピンという構成で演じています。ショートの映像がないので確かなことはいえないのですが、これはショートのCSSpが無効とされた理由がこの罰則による中間姿勢という認定で、同じ罰則を受けてフリーでCSSP1という判定を避けるためのものではないかとも思います。フリーの映像(2:45〜)を見ますとバックエントランス・8回転・変形(ひねり)でMAXレベル3の構成です。昨季の彼は左足で写真で例示された変形のポジションをとっていました。今季はバックエントランス・変形1(ひねり)・変形2(例示姿勢)・変形2で8回転のレベル4を元々は予定していた(そしてそれをショートで行った結果、左足の変形が「中間姿勢」とみなされ無効となった)のではないかと想像しています。
*1
このポジション、私は「キャノンボール」という名称の変形だと思っていたのですが、「パンケーキ」と説明されているサイトも見受けられます。確かに、こちらの映像(2:25〜)では「パンケーキ」と解説されています。(ルシンダ・ルー選手のスピン、ほれぼれします。基本姿勢でよく回っていると思います。解説の方(ディック・バトン氏?)もおっしゃっていますが、レイバックでの回転速度の維持は感動ものです)