ジャッジの抽選

ファイナル男子で、ジャッジの抽選の結果によっては高橋大輔選手が優勝する可能性があったのは、先日の日記で書いた通りです。この、ジャッジの無作為抽選導入の是非を個人的に考えてみたいと思います。
ファイナルでは、10人のジャッジ(プロトコルのジャッジは並び順がランダムでどのジャッジかは公表されません)が採点をしますが、事前に3人のジャッジは抽選により除外され点数は一切反映されません。(この除外されるジャッジは全選手共通です)残った7名のジャッジのそれぞれの要素の点数から最高点と最低点がさらにカットされた5名の点数を平均した点数が+GOEとPCSの最終値となっています。この方式の問題点はジャッジの総意が必ずしも正確に点数に反映されなくなる可能性がある、ということだと思います。何故、このようなまぎれの起きやすいジャッジングシステムを採用したのでしょうか?それにはやはり採点競技独特の事情があるようです。
ジャッジの不正疑惑というと何といっても新採点方式導入のきっかけになったともいわれるソルトレークシティ五輪のペアでの事件でしょう。この事件は有名ですの詳しくは触れませんが、東西のジャッジが真っ二つに分かれた中、唯一その枠を越えてロシアを支持したフランスジャッジが物議をかもすことや、結果として5対4という僅差となった演技を『明らかにカナダペアの方が優れていた』と断定する騒ぎが起こること自体が『ありえない事態』だと思います。実は、同じようなことがリレハンメル五輪女子シングルでも起こっています。バイウル対ケリガンの対決は5対4でバイウル選手が金メダルを獲得しましたが、やはりジャッジは東西に分かれています。(注:ドイツがバイウルを支持しています。彼/彼女が西独出身か東独出身かはわかりません)《10/06/16追記:ドイツジャッジは、東独出身のヤン・ホフマン氏だそうです》これらの結果を見るとある意味で旧採点方式において僅差の勝負となった時はジャッジの国籍でメダルの色が左右されるという側面は否定できないのかもしれませんね。
現行のジャッジのランダム抽選(無作為カット)・ランダムオーダー(国籍非公開)は、ソルトレイクで起こったかも知れない裏取引や圧力を極力排除すべく導入されたシステムのようです。荒川選手が優勝したドルトムントワールドではすでに導入されているようです。(14人のジャッジが採点し、実際の順位がつけられたジャッジが9人であり、ジャッジの国籍は公表されていません)
続く