ヨーロッパ選手権

結果はこちらから
男子 
ジュベール選手が優勝。コンテスチ選手が銀、ヴァン・デル・ペレン選手が銅
女子
レピスト選手が初優勝。コストナー選手が銀、ポイキオ選手が銅
 今回は、低画質で見ただけですので、日記を書く予定は無かったのですが、男女共にスピンの勿体無いミスが結果的にメダルの色・行方を左右しましたので、ルールの確認という意味で確認がてら規定を読んでみました。
 男子FSでメダリストがスピンでレベル3・4を揃えたのに対し、僅か0.06点差でメダルを逃したポンセロ選手は足換えキャメルスピン(CCSp)のレベルが2に止まっています。彼のCCSp(動画2:52)の構成は、バックエントランス・チェンジエッジ・RBOドーナツ・LBIドーナツでのレベル4狙いです。ドーナツはどちらの足も3回転(規定では2回転以上必要)していますから、バックエントランスとチェンジエッジがどちらも不十分と判定されたのだろうと思います。規定P5を見ますと、
in order to be counted as a Level feature backward entrance requires at least 2 rev. on a backward outside edge.(レベルを上げるためのバックエントランスは最低でもバックアウトで2回転以上回らなければならない)
とあります。動画を見ますと、バックエントランスの後、キャメルポジションになってから2回転するかしないかでRFIにエッジを変えてしまい、更に前向きになってからもやはり2回転ぎりぎりでRBOに戻ってしまっているのが分かります。これは、NHK杯(男子FS)で指摘したのと全く同じ勿体無いミスです。
 女子では、コストナー選手の二回目のCCoSpが無効になっています。
(追記:動画3:18アップライトで4〜5回転しています)
まだ、動画があがっていないので、記憶を頼りに述べますが、これは、コストナー選手は足換えシットスピン(CSSp)を試みたものが足換えコンビネーションスピン(CCoSp)と認定されてしまったのだと思います。規定(P90下段)によると、
The concluding upright position at the end of the spin (final wind-up) is not considered to be another position if it does not exceed three (3) revolutions and the revolutions executed in it are not to be counted in the required number of revolutions.(スピンを終える際のアップライトのポジションは、3回転を超えていなければ、別のポジションとしてカウントはせず、要求された回転数にも含めない)
とあります。通常、キャメルであれシットであれ、最後はアップライトのポジションで終わりますが、それが3回転以内であれば、最後のアップライトのポジションはカウントせず、キャメル・シットとして認定されるが、アップライトの状態で3回転超してしまうとコンビネーションスピンとして認定される、ということです。結果としてCCoSpを二回演じたことになり、規定P1
All Spins must be of a different character (must have different abbreviations). Any Spin with the same abbreviation as the one executed before will be deleted by computer (but will occupy a spinning box).(フリースケーティングにおいて、すべてのスピンは異なる略記号としなければならない。二回目以降に行われた同じ略記号のスピンはコンピューターから削除される。(しかし、スピンの権利は1回消費したものとする))
により、ノーカウントとされてしまいました。コストナー選手が本来予定していたであろう足換えシットスピンのレベル3の基礎点は2.6、優勝したレピスト選手との得点差は1.9でしたから、ヨーロッパ女王の称号は入れ替わっていたかも知れませんね。