回転不足判定3

 世界選手権をもって、実質的に今季は終了しました(まだ国別対抗なる団体戦が残されているようですが・・・選手の皆さんには大変な疲労がかさんでいるでしょうから、無理をしないでいただきたいです)。今季は、女子を中心にGPS・GPFでかつてないほど厳しい回転不足の基準が適用された試合がいくつかあり、その判定に心穏やかでない日々を過ごされたフィギュアファンの方も多かったのではないかと思います。とはいえ、本番ともいえる世界選手権では、ほぼ例年通りの回転不足判定の基準となり、個人的にはほっと胸を撫で下ろしたというのが本音です。これを教訓に、来季はGPSの結果に一喜一憂しないようにしなければいけないと思っています。(必ずしてしまうだろう、とも思うのですが^^)
 回転不足は、踏み切り時の回転不足(アクセル以外での前向き踏み切り:全日本選手権(女子FS)安藤選手の項参照)と着氷時の回転不足(90度超の回転不足)の二つに大別されます。今日の日記は、後者の着氷時の不足の測定について、私の考えを述べたいと思います。
私は、この着氷時の回転不足を測定する上での基準は、あくまで、選手が空中で描くラインによって判別するジャンプの進行方向に対する、ジャンプの着氷の瞬間のブレードの角度にあるのではないかと思っています。踏み切り時に氷上で何度回転してから完全離氷したか、また、着氷後に氷上で何度のターンをしたか(*1)は全く関係無い、ということです。これを図に表すと下のようになります。

*1
着氷後のターンを判断基準とすると、ジャンプの進行方向と着氷後の進行方向が直線(緩やかな曲線)でない場合、角度が多めに測定されてしまうからです。その一例となる動画がこれです。GPF−FS判定6 ロシェット 3Lz
『氷上でのターン』で測定すると、180度近い不足となりますが、実際は『ジャンプの進行方向』は画面の奥からまっすぐ手前に向かっていますので、0:11の着氷時のブレードの角度から測定される、このルッツジャンプの不足の角度は90〜100度程度であると判断しています。この動画の0:12以降は不足判定には全く不要ということです。

例によって、確実な裏づけがあるわけではありませんので、参考程度にとどめていただけたらと思っています。